車両のロール角計測
-走行中車両のロール角計測精度を向上する遠心加速度の算出方法-
遠心加速度計算の必要性
走行車両の加速度測定にはVTIの2軸加速度センサ(SCA1000-D01)が用いられます。車両の進行方向がX軸(速度計測方向)、進行方向に対して直角の方向がY軸(ロール)です。
図1 車両の加速度測定におけるX軸とY軸
車両のロール角はY軸方向の加速度から算出されますが、カーブ走行中は遠心加速度の影響を受けるため、この遠心加速度を算出する必要があります。遠心加速度は以下の2つの方法で算出できます。
図2 遠心加速度算出に必要な情報
方法1 車両速度とハンドル操作角情報を利用
遠心加速度は式(1)で計算されます。
ここで
ac:遠心加速度(m/s2)
v: 走行速度(m/s)
r:カーブの曲率半径(m)(ハンドル操作角から算出)
方法2 車両速度と車載用電子コンパス情報を利用
曲率半径 r のカーブを走行中の車両速度 v は式(2)で計算されます。
ここで
v:走行速度(m/s)
r: カーブの曲率半径(m)(ハンドル操作角から算出)
ω:車両の角速度(rad/s)
式(2)中の角速度ωは式(3)で計算されます。
ここで
ω:角速度(rad/s)
ψ: 車載用電子コンパスの指示角(rad)
t:時間(s)
つまり角速度は単位時間あたりの車載用電子コンパスの変化率です。
車両速度νと角速度ωが判れば式2より曲率半径r(=ν/ω)が求められます。これを式1に代入すると遠心加速度acは下式のようになります。
ここで
ac:遠心加速度(m/s2)
v: 走行速度(m/s)
ω:角速度(rad/s)
ロール角の計算
遠心加速度分を補正した加速度aroll は下式で求められます。
ここで
aroll:加速度センサSCA1000の測定値
ac:式1または式4から求めた遠心加速度(m/s2)
補正後の加速度arollからロール角αrollを求めることができます。
【注意】
式6においては加速度 arollの単位を m/s2から g に変換する必要があります。

